家庭教師2

 大学時代にアルバイトで家庭教師をしていました。今回は2件目の家庭について書きたいと思います。この家庭では2年程務めました。本屋さんの息子で、初めは小学校高学年の男の子を教えていましたが途中から低学年の弟も時間を分けて教えるようになりました。

 家庭といっても教える場所は本屋のバックヤードのような部屋で、時より母親がのぞきに来ていました。いわゆる教育ママとまではいきませんでしたが気がかりだったのでしょう。指導ぶりを監視されていたのかも知れません。それでもお兄ちゃんへの教え方が良かったと評価されて弟もお願いされたなら光栄です。

 小学生への指導では学ぶことに興味を持ってもらうことを一番に考えていました。彼らにとって教わることのほとんどは突拍子もなく現れたのものばかりで、先生らから「こうなんだ」と押し付けられるものばかりです。また心のコントロールもまだ未熟なので集中しろというのも無理があると思っていました。そんな状況にもかかわらず学校終わってからも家庭に教師がやってくるわけなので可哀想にも感じました。

 指導は教科書に沿ってやりましたが、なるべく「これ知ってると、こんなことに役立つんだよ」「テレビで見るあれって、このことに似てるね」「この前習ったのと引っ付けるとわかりやすいね」などと何かと関連つけながら進めていました。成績を聞かされたことがなかったので効果があったかどうかは残念ながらわかりません。

 あの兄弟はどんな大人になっただろうか?どちらかは書店を継いだだろうか?いずれにせよ元気で好奇心を持ち学び続けてくれていると嬉しい限りです。

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