当然のことながら今年も新入社員を迎える季節になりました。会社勤めから離れて3年も経つとそんなことが続けられていることも忘れがちになります。しかし今年はコンサルティング先の企業で中途採用を支援する機会があり、ある採用者の入社がちょうど新卒の方々と同じとなったことで久しぶりに実感しました。
必要な人物像を描き、方法を工夫しながら募集を得て、書類選考、面談と携わりました。人材採用の仕事に対し、改めて人生の大切な節目に立ち会うというやりがいや責任の重さを感じました。規模が小さい中小企業では一つの採用が企業に与える影響力は大きく、重要度はさらに増すように感じます。
採用が決まる終盤の面接や入社時の新入社員の多くはとても良い表情に感じます。はつらつとして目も輝き、全体がキラキラしているとでもいうのでしょうか。また「なんでもやります」「絶対できる」という雰囲気も伝わってきます。三十数年前の私もきっとそうだったと思います。
しかしながら社内を見渡すと思ったよりキラキラ、イキイキしている社員が少ないように感じます。ほとんど社員がキラキラして入社したはずなのに、どこへ行ってしまったのかと思ってしまいます。実務を始めていくとミスマッチや人間関係などの問題に直面し活力が低下することはありますが、そういったケースとは別に「萎んでいくのが普通」と企業も社員も認めてしまっているようにも感じます。パンパンに空気の入ったボールも時間と共に空気が抜けいずれ弾まなくなる、みたいな。
「企業は人なり」最近では「人的資本経営」などと言い、様々な施策が紹介されています。私自身は「萎んでいくのが普通」で失ったリソースは埋蔵金のように感じていて、それを掘り出すことが効果的な施策になるのではないかと考えています。幸か不幸か独特の企業風土や文化のおかげで日本企業には多くの埋蔵金が眠っていて「日本企業だけが持つリソース」と目論んでいます。
私の場合はキャリアコンサルティングをうまく融合させて企業と社員を同時に支援していくことを考えています。空気の補充、埋蔵金発掘に向けてチャレンジしてみます。それにしても新入社員に触れただけでいろいろ考えてしまいます。やはり彼らには何か大きなエネルギーがあるのでしょう。