それでもなお

 チャレンジングな仕事であればあるほど順調に進むことはなく、失敗や障壁に当たり前のように遭遇します。そんな時、唱えてきたのが『それでもなお』でした。続く言葉は「挑戦しよう」「やり続けよう」「諦めない」などなど。アメリカに赴任していた頃『それでもなお』に相当する英語表現が見つけられずモヤモヤしていました。

 というのも、私にとって『それでもなお』は字面以上に感じているものがあったからだと思います。この言葉を使う時、取り組んでいることに確固たる信念を持っていたり、大袈裟な表現だと使命とか定めのように感じていたりしたように思います。なのでどの翻訳も同僚からの提案も私の感覚に合うものがありませんでした。

 頑固なように感じられるかも知れませんが、他人に対して訴えるものではありません。心の中で唱えるか、信頼する極身近なメンバーに穏やかに口にする程度です。しかし『それでもなお』の思いで乗り越えた困難は幾つもあります。悟ったように穏やかに使いますが、気力や勇気がみなぎり腹が据わるので不思議です。

 起業して3度目のお正月を迎えました。個人事業主の3年後生存率は38%というデータをどこかで見ました。勝負の年を『それでもなお』の精神で走り続け、まずはしっかりと38%に入りたいと思います。