キャリアコンサルティング仲間が講演をしますと紹介されたイベントに参加しました。『キャリアブレイク』についての出版に合わせたイベントのようで著者とそれらに興味ある方々が十数名参加されていました。場所はターミナル駅から少し路地を進んだ住宅街の一角で、民家を改造したような小さな本屋さんでした。1階が書店、2階がギャラリーとなっていて、書籍はジャンルも数も限られていましたが深く知りたい、読んでみたいと思う本がたくさんあるユニークな本屋さんでした。
イベントは広くない書店スペースに参加者全員が車座になって、自己紹介や『キャリアブレイク』についての思いを語ることから始まり、仲間の『キャリアブレイク』をテーマとした講演、その後フリーディスカッションというスタイルでした。いろんなキャリアの方々がひっそり佇む本屋さんに方々から集まり語り合っていることに新鮮かつ不思議な感覚がありました。
さて『キャリアブレイク』とは『一時的に雇用から離れる離職、休職などキャリアの中のブレイク期間のこと』を指すそうです。初めて聞いたときは「わざわざそんな言葉があるのか・・」が正直な思いでした。私は雇用の有無にかかわらずキャリアは継続されていて、ブレイク期間もまたキャリアの一部と考えていました。どのような活動も生活も休息さえもキャリアに影響しているはず、という感じです。事実、私は雇用はされていても休職モードで自身のキャリアやライフサイクルを考えていた時期があります。長い会社生活では何度か経験しました。仕事はちゃんとこなしていましたが心はお休み中でした。
これは私の仕事観、キャリア観なのかも知れません。私はこれまで転職1回と独立起業を経験しましたが、いずれも空白期間は一日もありません。有給休暇の残りも使わず次に進んだこともあります。繋がっていることにこだわりがあるのかも知れません。因みに私がキャリアコンサルタントを目指す過程で確認した厚生労働省によるキャリアの説明で『キャリアとは、過去から将来の長期にわたる職務経験やこれに伴う計画的な能力開発の連鎖を指す』というものがありました。この説明には概ね納得でき、特に連鎖という言葉には共感しています。
今回イベントに参加された方々のお話を聞くと確かに厚生労働省のいう『キャリア』の外にいるような気がしました。職務からも離れているし、『計画的な』能力開発とは言えなさそうな経験をされています。中にはそんな状況まで落ち込むのかという体験談もありました。そしてキャリアブレイクを経てキャリアを再開されています。能動的にキャリアブレイクに入った方もいれば、振り返ればあの時期がキャリアブレイクだったという方もいるようですが、何よりキャリアブレイクという考え方や言葉に救われたというお話が印象的でした。
『キャリアブレイク』について私はまだまだ理解が足りませんが、人を救う可能性のある言葉であるならとても素晴らしいと思いました。理解を深め自分の言葉で使えるようになりたいと思いました。今回の新鮮なイベント、ユニークな本屋さん、新しい言葉に巡り合う機会をくれた仲間に深く感謝です。